それでは、今日は、管理栄養士が実践している夏バテ予防法をご紹介していきますね!
気温が高くなる夏は、食欲が低下したり、夜になっても気温が下がらず、熱帯夜で寝苦しい日が続き、生活リズムが乱れがちです。この生活リズムの乱れが続くと、夏バテの症状である疲れやだるさなどの体の不調を感じます。
このような状態から抜け出せないでいると、体の抵抗力も低下し感染症にかかりやすくなったり、いつまでもやる気が出ない、ちょっとしたことで疲れるようになり、なかなか回復しづらくなってしまいます。
夏バテは、疲れやだるさを感じてから対処するのでは遅く、夏バテになる前から対策をとっておく必要があります。さまざまな夏バテ防止策の中でも、毎日の食事のとり方を工夫することで、夏バテを防ぐことが期待できます。毎日食べる食事で夏バテを防ぎ、元気に夏を乗り切るために、管理栄養士が実践する夏バテ防止法をお話します。
夏の暑さが本格的に
今年の夏も気温が高い
今年の夏も気温が高く、環境省によって熱中症警戒アラートが発令された地域もあります。さらに外ではコロナウイルス感染予防のために、マスクを着用して過ごしている人がほとんどで、例年以上に暑さを感じているのではないでしょうか?
8月の平均気温の予報では、全国的に「平年並みか高い」見込みであると気象庁が発表しています。
この暑さで心配な健康問題
この暑さで心配な健康問題の1つに、夏バテがあります。夏バテを経験したことがあるという人は多いですよね。夏の暑い時期に食欲が低下したり、暑さによって生活リズムが崩れてしまうことで、疲れやだるさを感じ夏バテしてしまいます。
暑さがもたらす夏バテの原因
暑さで食欲不振
夏バテは暑さによる生活リズムの乱れによって起こりますが、食欲不振や水分不足、睡眠不足が原因で夏の終わりに疲れやだるさを感じ、体の不調が続きます。それぞれの状況を1つずつ見てみましょう。まずは、暑さによる食欲不振についてです。
暑さによって、体力が消耗され食事を準備する意力がなくなるとともに、食事が喉を通らないと感じるようになります。体力の消耗は、体内の消化器官の機能も低下させ、食べると胃もたれを感じたり消化吸収がうまく機能せず代謝が落ちてしまいます。その悪循環で、夏バテしてしまいます。
暑さで水分不足
夏は気温が高くなり、体の水分バランスが崩れやすく、脱水症状を起こします。私たちの体の約60%は水分が占めています。(子どもは70%、高齢者は50%ともいわれています。)この水分は、血液や汗、尿などに利用されています。
血液の働きは、酸素や栄養素を体の隅々まで運ぶ働きがありますが、酸素不足が疲れやすさ、集中力の低下、頭痛などに繋がったり、必要な栄養素が運ばれないことで、体に必要な栄養が使われず、疲労やだるさを感じやすくなります。
また、汗は体温調節を行い、暑くて火照った体を冷やします。汗をかくことで、体内のミネラルバランスが崩れることがあるため注意が必要です。さらに、尿は老廃物を対外に排出するためのものですが、水分不足によって尿の量が減り、老廃物が体内に蓄積し、これが疲れやすさの原因の1つです。
暑さで睡眠不足
夜、暑くて寝ようと思ってもなかなか眠れなかったり、夜中に何度も起きてしまうことはありませんか?また、すっきり起きられないという症状がある場合も、睡眠不足であることが考えられます。睡眠不足は、自律神経が乱れ生活リズムが崩れやすくなります。
夏バテを防ぐには栄養、睡眠、休養のバランスを
夏バテを防ぐために大事なこと
夏バテを防ぐために大事なことは、夏バテの原因である食欲不振、水分不足、睡眠不足を解消することです。これは、栄養、睡眠、休養のバランスを保つことです。この3つはどれかが欠けると、全てが崩れてしまいます。
どれかだけを気をつけていても良いのではなく、栄養バランスも保ち、十分な睡眠をとって、休養を意識してとっていく必要があります。
夏バテになってからでは遅い
疲れやだるさを感じてから、栄養、睡眠、休養のバランスをとるのでは遅いということをご存じですか?この3つのバランスが崩れることで、夏バテの症状である疲れやだるさを感じるからです。
夏バテになる前から、しっかり食事をとることや睡眠をしっかりとること、適度な運動を取り入れ、心身ともに休養をとることが大切になります。
元気に夏を乗り切るために、夏バテを防ぐ生活リズムの作り方
夏バテを防ぐ食事とは
夏バテを防ぐためには、栄養バランスよくとることが大切です。まずは、エネルギー源となるごはんなどの炭水化物、体を作るために必要な肉や魚、卵、豆腐などのタンパク質、体の調子を整える野菜や海藻などのビタミンやミネラルを補給することが基本です。
夏のごはんの定番である、素麺は炭水化物がメインの食事で、バランスが崩れやすくなります。素麺などの炭水化物とともに、タンパク質や野菜をプラスしましょう。また、ビタミンB1は、糖質の代謝を高め、疲労回復も期待できる栄養素です。
糖質の多いごはんやパン、麺類、お菓子などを食べると糖質の代謝にビタミンB1が利用されるため疲れがとれにくくなってしまいます。これでは、疲れやだるさがとれず夏バテを促進させてしまうため、糖質を多く摂取するときには、ビタミンB1を多く含む食品を摂るように意識しましょう。
ビタミンB1は豚肉、レバー、玄米、大豆製品、そして、夏が旬の枝豆やモロヘイヤなども多く含まれます。この時期は、小腹がすいたら甘いお菓子ではなく、枝豆を食べるのもオススメです。
食事を作りたくないときは
夏場、キッチンで料理中、火をつけているコンロのそばで作業するのはとても暑いですね。暑くて、どうしても食事を作りたくないときは、レンジを使って調理するのも良いですね。また、夏野菜は切ってそのまま食べられるものが多く、加熱せずに食べられるため、どうしても暑くて火を使う料理を避けたいときにはオススメです。
無理をせず過ごすこと
夏はじっとしていても汗をかくほど暑いため、無理に動くと体力を消耗してしまいます。体力を消耗することで、食欲も低下し、ますます栄養バランスを崩してしまいます。涼しいところで休息をとりながら過ごしましょう。
睡眠しやすい環境作り
疲れを残さないために、睡眠をしっかりとることで自律神経を整えましょう。寝室は以下の4点に注意して、寝やすい環境作りをしておくことが大切です。
- 体に負担のかからない寝具を選ぶ
- エアコンのタイマー機能をうまく利用して、寝やすい温度設定にする
- 寝る時間、起床時間は毎日同じ時間にし、リズムを崩さないようにする
- 質のいい睡眠がとれていないようであれば専門家に相談する
まとめ
夏バテで疲れやだるさを感じないために、栄養、睡眠、休養のバランスを保ち、夏バテになる前に対処しておくことが大切です。食欲が普段よりない場合や胃もたれを感じるようであれば、夏バテになりかけている可能性があります。
普段の食生活を見直し、早めに体を休め、日中も無理のないように過ごすように心がけて過ごし、今年は夏バテ知らずの夏にしたいですね。
管理栄養士 岡田明子
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