離乳食ってどうしたらいいの?離乳食がなかなかうまくいかない!はじめて子育てをするママにとっては、いろんな悩みや不安がありますが、「離乳食」で悩むママは、7割以上いる!といわれています。
今回は、離乳食のお悩みベスト3である「離乳食を作ること」「もぐもぐ、かみかみできてる?」「食べてくれない!」に管理栄養士ママがお答えします。ママ一人で考えこまず、赤ちゃんと二人三脚で離乳食を楽しく進めるコツをお伝えします。
離乳食について困った!と経験するママは、全体の74%
心配しないで!新米ママには、悩みがつきもの
赤ちゃんが産まれて、母乳やミルクだけですくすく大きくなった赤ちゃんも生後半年近くになると、離乳食をスタートさせるというママも多いですね。
離乳食は、母乳やミルク以外から、食事として栄養をとるために必要な食事のための準備期間です。この準備期間だからこそ、私たち大人と同じような食事ではなく、赤ちゃんが食事に興味を持ち、何れ、母乳やミルクを卒業したとき、しっかり食事ができるようになるために大切な時期です。
新米ママは、この離乳食について困った、悩んだという経験をもつ人も多く、ママの約7割以上が、離乳食で何らかの悩みを抱えた経験をもっています。
育児中は、目の前のことで精一杯になってしまい、ついつい相談できずに悩んでしまったママも少なくありません。でも、7割以上のママが同じ悩みを抱えているかも?と思うと少しだけ心がホッとしますね。
離乳食で、どんな悩みが多いの?
離乳食にまつわる悩みは人それぞれですが、その中でもとくにこのような悩みを抱えているママが多いようです。
第一位 「作るのが負担、大変」が 33.5%
第ニ位 「もぐもぐ、かみかみが少ない」が 28.9%
第三位 「食べる量が少ない」が 21.8%
第四位 「食べものの種類が偏っている」が 21.2%
第五位 「食べさせるのが負担、大変」が17.8%
※厚生労働省の「授乳・離乳支援ガイド」より
「あ!私もそれ悩んでた!」ということが上位に入っているのではありませんか?
自分だけが悩んでいると思っていても、いがいと同じくらいのお子さんをもつママが同じような悩みをもっていることもあります。病院や児童館など、ママと赤ちゃんの交流の場などで悩みを話してみるのもおすすめです。
「離乳食のお悩みベスト3」に管理栄養士ママがお答え
今回は、とくにママが離乳食について悩んでいる、困っている内容の中から、トップ3のお悩みについて管理栄養士ママがお答えしていきますね。
「作るのが負担、大変」っていうときは、どうしたらいいの?
離乳食をスタートさせると毎日のことですし、スタートしたばかりの頃は少量な上に「しっかり潰してペースト状にして食べやすく」と、離乳食本や離乳食教室で習っているかたがほとんどで、その通りに実践しないといけないと新米ママは赤ちゃんのために一生懸命です。
ただ、毎日それを続けることはなかなか難しいこともありますよね。あまり料理が得意でない上にいつもの料理に比べ、細かくペースト状にしなければならないとか、抵抗力が弱いから衛生面に気を付けなければいけないとか、離乳食は少量でも気を配ることがたくさんありすぎて、それがママの負担となっていることもあります。
管理栄養士ママのオススメは、2つです。
- フリージングして1回分ずつに小分けしておくこと
- ベビーフードのストックを準備しておくこと
この2つで、離乳食を作る負担が軽減され、気持ちも少しらくになります。
①フリージングして1回分ずつに小分けしておくこと
毎回作ると大変なので、ある程度作り小分けにしてフリージングしておけば、温めてあげるだけで食べさせられることができます。小分けできる、ベビー用の小分け容器やジッパー付きの袋、ラップ、製氷皿を活用してフリージングしてあげるといいですね。
フリージング方法は、小分けして1回分ずつ計量し、蓋やしっかり密閉できるようにしておきます。ジッパー付きの袋の場合は、調理後に袋に入れ、薄くのばして、空気を抜いて密閉した後、菜箸などを使って、1回分ずつ筋目をつけて冷凍しておくと、使うときに使いやすく衛生的に取り出しやすいです。
②ベビーフードのストックを準備しておくこと
もとても重要です。ベビーフードは大丈夫なの?ベビーフードは手抜きじゃないの?と思う方もいらっしゃるようですが、ベビーフードは決められた基準を満たして作られており、衛生面や栄養バランス、その時期にあった形状にあわせて作られています。
今の時期にどのくらいの量を、どのような形状で食べるか目安にもなりますし、毎日の育児や家事などでお疲れ気味のママにとって、ベビーフードのストックがあると「離乳食を作らなくちゃ!」という焦る気持ちも少しラクになりますね。
「もぐもぐ、かみかみが少ない」ときは、どうしたらいいの?
赤ちゃんが離乳食を「もぐもぐ、かみかみしない」という悩みも非常に多く、よく丸のみしてそのまま消化されずに出てくるんですというママからのご相談もあります。まだまだ消化吸収が未熟な赤ちゃんですから、仕方ないことですが、この「もぐもぐ、かみかみ」に関しては、毎日の積み重ねが大切です。私たちは、はじめてのことはうまくできなかったり、苦手意識をもったりしますよね?赤ちゃんもはじめは、離乳食を「もぐもぐ、かみかみ」することが上手にできないのです。
また、成長とともに舌の動きが変化していくため、成長にあわせた形状をあげられているかということも重要になります。毎日の食事で、何度も教えてあげることで少しずつできるようになります。一口スプーンで口に入れてあげたら、「よく噛もうね」「こうやってモグモグするんだよ」とお手本を何度も、何度も見せてあげることです。赤ちゃんはよく観察して、真似してくれますから、今できなくても少しずつ成長していく赤ちゃんを見守りましょうね。
個人差はありますが、舌の動きの目安をご紹介します。
- 5~6ヶ月頃 口を閉じ、ごっくんと飲みこむことができるようになり、舌で前から後ろへ送り込むことができるようになる
- 7~8ヶ月頃 舌や顎の動きは、上下に動かせるようになり、口唇が左右対称に引かれるようになるため、舌でつぶせる食べ物がおすすめ
- 9~11ヶ月頃 舌で食べ物を歯ぐきの上に乗せられるようになり、歯や歯ぐきで潰すことが出来るようになります。口唇は左右非対称の動きができるようになりるため、この時期は歯や歯茎で潰せる食べ物がおすすめ
「食べる量が少ない」っていうときは、どうしたらいいの?
せっかく準備した離乳食、赤ちゃんが食べてくれないとガッカリした気持ちになってしまいますよね。しかし、赤ちゃんにとってはその量が多かったり、食べられる量にも個人差があるのです。大人でも、大食漢の人もいれば小食の人もいます。また、その日の運動量によっても今日は空腹でもりもり食べられるという日もあれば、あまり活動しなかった日や食べるタイミングによって、次の食事までお腹が減らないということもあります。
赤ちゃんの生活リズムや運動(手遊びや体操など)、母乳やミルクの量により異なります。本や離乳食教室では、このくらいが目安と言っているけれど食べる量が少ないというときは、生活リズムも含めて見直して、様子をみていきましょう。それでも、なかなか離乳食の量が少ないと感じるようであれば、乳児検診や予防接種のタイミングで、医師や助産師、管理栄養士に相談してみてくださいね。
離乳食が進まないとどうなる?
離乳食が進まないと、この先どうなる?
離乳食は、母乳やミルクなどから食事をするための準備期間です。何れ、母乳やミルクを卒業して食事からしっかりと栄養補給をしていくために必要な時期が離乳期です。離乳食は5~6ヶ月頃から始め、1歳半頃に完了します。その時期にあわせたお食事を赤ちゃんに試していくことが大切な時期ですが、離乳食が思うように進まないからこの先、全く食事をしてくれないということはありません。
それよりも、食事が楽しいものであることや行事にあわせた食事(大人のを見せるだけでも大丈夫です)など、食事の雰囲気を大切にしていきましょう。ママや家族と一緒に食事することが楽しいことだと分かれば、少しずつ食も進むようになっていきますから、今、食べないと悩んでいるママも雰囲気づくりを心掛け、ママ自身が離乳食を楽しみましょう。
離乳食が進まない原因は?
今は、あまり離乳食が進まない赤ちゃんも食事の時間が楽しいものだと教えてあげることと離乳食が進まない原因を見直してみましょう。離乳食が進まない原因は、赤ちゃんの成長過程によっても違いはありますが、よくご相談に来られるママから話を聞いてみるとこのような問題が多いようです。
- 母乳やミルクなどをしっかり飲んでいる
- 赤ちゃん用のお菓子は食べる
- 離乳食のスタートが遅かった
- 味付けや形状が赤ちゃんにあっていない
それでは、1つずつ、詳しく解説していきますね。
①母乳やミルクなどをしっかり飲んでいる
赤ちゃんは、母乳やミルクが大好きです。そして、赤ちゃんの胃は私たち大人が想像するよりかなり小さく、母乳やミルクでお腹がいっぱいになってしまうと離乳食が進みません。離乳食の前に母乳やミルクをあげるのではなく、離乳食をあげてから母乳やミルクをあげるようにリズムを整えていきましょう。つい、赤ちゃんが泣いてしまうからということで母乳やミルクをあげてしまいそうですが、歌を歌ったり、音楽をかけて少しでも楽しい雰囲気を作って、食事の時間のルーティーンにするのもいいですね。
②赤ちゃん用のお菓子は食べる
母乳やミルクに加え、赤ちゃん用のおせんべいなど手軽にあげられる赤ちゃん用お菓子は、食べやすく、大好きな赤ちゃんも多いです。これは食事ではありませんから、やはり食事代わりに、日頃からお菓子をあげるのはやめておきましょう。
③離乳食のスタートが遅かった
離乳食は通常5~6か月頃になり、よだれがダラダラと出て、食べ物に興味を示す頃がスタートの目安です。しかし、赤ちゃんが体調を崩してしまったり、年末年始などの長期休暇が重なったり、様々な都合でスタートが遅くなってしまうとその時期にあった離乳食が進められません。そのためにも、「離乳食のスタートしていいよ!」という赤ちゃんからのサインがあったら、体調のいいときからスタートしてみましょう。
④味付けや形状が赤ちゃんにあっていない
離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、味付けする必要はありませんが、月齢が進むにつれて、少しずつ風味程度に調味料を使ってみてもいいでしょう。大人が美味しいと感じる味付けは、まだまだ赤ちゃんにとっては濃すぎます。
とくに、塩分を含む調味料は赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまいます。そのため、調味料を使うときはかなり少量でも、赤ちゃんにとっては十分です。また、だしを利かせた味付けは旨味が増すため、赤ちゃんによっては離乳食をよく食べるようになったということもあります。昆布や鰹節などでとった出汁を作ってフリージングしたものを、1回分ずつ使用してみるのも良いでしょう。また、ベビー用の出汁などもうまく活用してママが続けやすい方法でやってみてくださいね。
離乳食は、赤ちゃんの成長にあわせて進めよう
今さら聞けないけど、「離乳食って?」
離乳とは、成長に伴い、母乳やミルク等では不足してくるエネル ギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程のことを差します。離乳時の食事を離乳食といいます。
離乳食のスタートから完了までって、どんな時期なの?
【離乳初期(生後5か月~6か月頃)】
この時期は、以下ができれば大丈夫です。
- 離乳食を飲み込むこと
- 離乳食の舌ざわりや味に慣れること
離乳食は 1日1回で、その他は母乳やミルクを、授乳のリズムに沿ってあげましょう。
【離乳中期(生後7か月~8か月頃)】
この時期は、離乳食を1日2回にし て生活リズムを確立していく時期です。母乳やミルクは離乳食の後にあげるリズムにしていきます。
舌で潰せる固さが目安となり、ごはんやパンなどの炭水化物、野菜、豆腐、白身魚などのタンパク質を中心にあげましょう。
【離乳後期(生後9か月~11 か月頃)】
離乳食は1日3回にし、食欲に応じて、離乳食の量を調整しましょう。歯ぐきでつぶせる固さが目安となります。また、手づかみ食べをするようになります。生後9か月頃から1歳過ぎてくると、食べ物を手でもって口に運ぶようになります。汚れるからと言って、赤ちゃんに手づかみをさせないとその後の食事の進み方や発達にも大きく影響を与えますので、赤ちゃんの手で握りやすい食べ物を準備しましょう。
【離乳の完了 離乳の完了】
形のある食べ物をかみつぶすことができるようになります。また、母乳やミルク以外の食べ物が主な栄養源になる時期です。離乳の完了だからと言って、母乳やミルクをあげてはいけないということはありません。母乳やミルクを卒業するタイミングは親子が納得したうえで進めるのが良いでしょう。
まとめ
初めてのお子さんを育てる新米ママにとっては、離乳食は大きな壁のように感じますね。離乳食が上手に進められないと、毎日のことですから不安になっても仕方ありません。しかし、ママの7割近くが何かしら離乳食に関する悩みがあったと回答している結果の通り、ほとんどのママが離乳食で悩むものです。
児童館や相談センターなどでも定期的に管理栄養士の相談会も開催されていたり、離乳食教室も一度しか行ってはいけないということもありません。今の状態をスマートフォンで撮影して、こんな状態だけど大丈夫?と相談する機会も多くあります。最近では、オンラインでの相談などもできるサービスもありますので、一人で悩まずぜひ相談してみましょう。
離乳食がママと赤ちゃんにとって、苦痛な期間でなく、食事をする楽しい期間へと繋げる第一歩だと思って、どうしたら楽しい雰囲気になるだろうか、どうしたら作るのがワクワクするかということで、離乳食の悩みが軽くなっていくといいですね。
管理栄養士 岡田明子
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