9月1日は防災の日でした。そして、9月は防災月間とされ、さまざまな自然災害にたいする防災訓練や防災意識を高める啓発活動が行われています。
先日も、大型台風が九州を直撃し、台風の多いこの季節に、もしもの時にどんな食品をどれだけ準備しておけば良いかが分かります。防災と言っても、何から取り組んでいったらいいのか分からない方に向けて、防災意識の高め方から備えておきたい食品について、管理栄養士が栄養バランスやライフステージにあった食形態にあわせ、提案していきます。
日本は世界有数の自然災害大国
9月1日は防災の日
9月1日は、大正12年(1923年)関東大震災が発生したことにちなみ、毎年、防災訓練が行われています。そして、9月は防災月間とされ、自然災害に備え防災マップの見直しや備蓄食品を見直し、もしものときの対策を見直す人も多いのではないでしょうか。
7月から10月は台風が多い
気象庁の発表によると、7月から10月にかけて台風の発生・接近・上陸ともに多く、とくに9月以降になると、秋雨前線の活動を活発にして大雨を降らせることがあると発表しています。大きな被害をもたらしたことで有名な伊勢湾台風も9月に発生しており、防災意識を高め事前に対策をとっておきたいです。
いつ発生するか分からない、災害に備える防災の心得とは?
「自助」という言葉をご存知ですか?これは、災害による被害をできるだけ少なくするために一人一人が自分の命は自分で守る意識をもち、自分の身の安全を守ることです。自分の家の安全対策、身の安全の守り方を知っておくことや、ライフラインが止まったときに飲食できる水や食料の備えも大切になります。
何から取り組んだらいいの?防災
毎日の生活で防災意識を高めよう
防災の日や防災月間、また何か大きな災害が起こると自然に防災意識が高まります。「うちにある備蓄食品は大丈夫かな?」台風や大雨などの前に、養生テープやガムテープが売り切れ慌てて準備するのではなく、日頃から防災に配慮した生活を送ることで、もしものときに慌てず行動することができます。例えば、家の中では地震で家具が倒れないように固定しておく、食器棚が倒れた場合、その周辺は食器の破片でけがをする恐れがあるなど確認しておくだけでも、けがを防ぐことができます。
電気、水道、ガスが止まったときどうするか?
震災や大雨などの災害時、電気や水道、ガスなどのライフラインが止まる場合があります。そんなとき、復旧するまである程度、自力で生活できる備えを準備しておきたいですね。懐中電灯を準備していてもいざというときに、使用できなければ意味がありません。電池の替えとセットで準備しておく、定期的に点検しておきましょう。水道がとまったときのために、大雨や台風など事前に予想される災害時は、風呂に水をためておく、飲み水を確保しておくことも大切です。また、カセットコンロは、ライフラインが止まってしまっても残った食材を料理することができ、大変便利です。替えのガスボンベを1セット置いておくなど、家でも対応できる準備をしましょう。
食品の防災準備をするときに気を付けておきたいこと
備蓄食品は準備していますか?
もしもの時のために、家庭でも備蓄食品を準備していますか?3.11の東日本大震災後、備蓄食品を準備したり、また、いつも少し多めの買い置きをするようにする家庭も増えました。
水を入れるだけで美味しく食べられるフリーズドライ食品や災害時にホッとできるお菓子だけでなく、ビタミンやミネラルも補給できる感想野菜を準備しておくこともいいですね。
これは災害時に配布されるおにぎりやパンなどでは足りない栄養素を補うことができるからです。また、洗い物を少なくするために、食器にラップを敷いて洗わないでいい工夫ができるようラップをストックしておいたり、汚れた食器を拭くことができるペーパー類も準備しておきましょう。
最低限の防災準備!家にストックしておきたい食品
- 水・・・1人あたり3リットル
- カセットコンロ(ガスボンベ)
- 米・・・2㎏(1食0.5合とした場合、27食分)
- 缶詰
いざというときに備えておきたい+αの食品
上記の最低限の備えに加え、レトルトご飯、小麦粉、パン、餅、乾麺、乾パン、シリアル、缶詰、レトルト食品、ロングライフミルク(常温保存可能)、ドライフルーツ、ナッツ、乾燥野菜などがオススメです。普段の食事にも取り入れ、常に入れ替えながら使用すると賞味期限が切れていざという時に食べられなかったという心配もありません。
高齢者がいる場合
高齢者がいる場合、柔らかくて食べやすいおかゆのレトルトパックや介護食も防災準備に備えましょう。また、慢性疾患がある場合やアレルギーがあれば、救援物資で配布されたものが食べられないこともあるでしょう。慢性疾患やアレルギーでも、食べるものがあるように準備しておくことが大切です。
乳幼児のための備蓄品
乳幼児がいる場合は、乳幼児が食べやすい食材を準備しておくことも大切です。災害時は、ストレスで母乳が出なくなることも考慮し、赤ちゃんの栄養のためにミルクを準備しておきたいですね。
2018年8月に、厚生労働省によって液体ミルクの個屋内での製造・販売が解禁されたこともあり、液体ミルクも販売されるようになりました。粉ミルクだけでなく、水が確保できない、お湯が沸かせないときにも使えるメリットのある液体ミルクを備蓄しておくと安心です。
また、離乳食がスタートしているお子さんには、ベビーフードがあると安心です。水を入れるだけ、レトルトパックでそのまま食べさせられるものなど、離乳食の進み具合にあわせて買い置きしておくと安心です。
災害時の不安を少しでも軽くするために
災害時は、不安や恐怖を感じいつもと違うメンタルに、ちょっとしたことで落ち込んだりイライラしやすくなります。そんなときは、まずは深呼吸してみましょう。深呼吸することで、副交感神経を優位にしてくれます。副交感神経は、体や心をリラックスさせてくれます。災害で、いつもと違う環境になったとしてもゆっくり深呼吸することは、道具も不要で、その場ですぐにできるため、いざというときは取り入れてみましょう。
まとめ
防災はもしものときの備えを見直すことから始めましょう。日本は自然災害の大国と言われ地震や台風大雨など自然災害が多く発生しています。もしものときの備えをしておくことで、自分や家族の身を守り、ライフラインが止まった時にも慌てず対応することができます。
防災意識は防災の日や防災月間で、一時的に意識は高まりますが、日ごろから生活に落とし込むことで、いざと言う時に慌てず行動できます。一度、家族で防災意識を高めるためにも、家庭内で危ない箇所はないか、もしこの家具が倒れたらどういう危険があるか、避難する場所はどこなのか?、また外出時に災害にあった場合、どういう連絡方法を取るのかなど、話し合っておくと慌てずに行動できるでしょう。
防災の日や防災月間を通して、防災意識を高めもしものときの備えを見直してみましょう。
管理栄養士 岡田明子
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