管理栄養士の国家試験に合格してからが、管理栄養士としてのスタート!
正しい情報を発信して管理栄養士として広く活躍していくために必要なことを今日はお伝えしますね!
先日、第34回管理栄養士国家試験の合格発表がされました。今年も新たに、管理栄養士が1万人近く増え、これからの活躍が期待されます。管理栄養士は、食と栄養のプロとしてさまざまな分野で活躍しています。
テレビやニュースなどで取り上げられる正しい健康情報を伝えることや高齢化による栄養管理、子どものアレルギーや食育、食中毒や異物混入、オリンピックに向けたスポーツ栄養など、管理栄養士が活躍する場がますます広がっていますね。
こういう背景をもとに、管理栄養士を目指す人、晴れて管理栄養士国家試験に合格した人のために、管理栄養士として自信を持って活躍するためのスキルをお伝えします。
管理栄養士になるのは難しい?
管理栄養士になるには?
管理栄養士になるには、まずは栄養士の資格を取得することが条件になります。その後、毎年3月に実施される、管理栄養士の国家試験を受験して合格することで管理栄養士を取得することができます。
管理栄養士は国家資格、受験するために必要な条件とは?
管理栄養士国家試験の受験資格は、管理栄養士養成施設校や栄養士養成施設校を卒業する必要があり、養成施設校によって受験資格までの実務経験が1~3年程度必要となります。
合格率は、管理栄養士養成施設校を卒業後に受験した人で8~9割、栄養士養成施設校を卒業後、実務経験を経て受験した人の合格率は1~2割と言われており、栄養士の上級資格である管理栄養士への道は、年々厳しくなっています。
管理栄養士の今年の受験者数と合格率
厚生労働省の発表によると、2020年の3月に実施された、第34回管理栄養士試験の受験者数は15,943名、そのうち合格者数は9,874名で、合格率は61.9%でした。(※第33回の合格率は60.4%、第32回の合格率は60.8%、第31回の合格率は54.6%)例年、60%前後の合格率で、管理栄養士を取得するのは、なかなか難しい道のりです。だからこそ、管理栄養士国家試験に合格したからこそ、正しい栄養情報を届けていくことが必要なのです。
管理栄養士国家試験に合格した後の課題とは?
管理栄養士に合格することがゴールじゃない
管理栄養士国家試験に合格してからが、管理栄養士としてのスタートです。管理栄養士として多くの人の健康や栄養のサポートをしていくために、資質の維持・向上が求められます。健康や栄養の分野は常に研究され、新しい情報へと更新されていきます。
スマートフォンのシステムやアプリをアップデートしなければ、使いにくさを感じるようになるのと同じように、管理栄養士としての知識も最新版にアップデートしておかなければ、古い情報を伝えてしまうことになり、間違ったサポートをしてしまうことになりかねません。
管理栄養士として何をやりたいですか?
健康や栄養の分野も幅広く、それを全て網羅することはなかなか難しいのが現状です。興味のある分野、多くの人に伝えていきたい健康や栄養情報などに絞り、管理栄養士でも〇〇に詳しい管理栄養士と求められる人材になることが、これからの管理栄養士に必要です。
まずは、〇〇をもっと勉強したい、興味がある分野をとことん掘り下げてみましょう。
管理栄養士の活躍の場所
病院
病院での患者さんへの栄養指導をはじめ、NST委員会や回診、栄養管理計画書の作成、摂食嚥下機能の評価、生活習慣病予防のための教室、病院給食の提供業務、食中毒予防のための衛生管理、食事アンケートなどを行います。
福祉
老人福祉施設や障害者支援施設、児童福祉施設などの福祉施設では、福祉施設内での給食の提供業務、食中毒予防のための衛生管理、福祉施設利用者の状態を評価、栄養指導などを行います。
学校
学校栄養職員や栄養教諭として、学校給食の管理や生徒への食育を行います。
企業
社員食堂がある企業では、食事提供や食中毒予防のための衛生管理を行います。また、食品会社では、健康食品やサプリメント開発、品質管理業務などを行います。
保健所・保健センター
地域住民の健康増進を中心に、健康教育や栄養指導、食環境の整備のため地域内の食堂やレストランなど食事提供業務を行う施設での衛生指導、災害時の栄養・健康の指揮、国民健康栄養調査の実施などを行います。
児童養護施設・保育所
児童養護施設では、入所している子どもたちの養育者としても関わり、食事提供や健康管理、食育を他投資、児童養護施設を退所したあとに自立していける目標をたて実行していきます。また、保育所では昼食やおやつ(夜食)の提供、食育を行います。
研究機関
食に関わるさまざまな分野で研究、商品開発を行います。
スポーツ
プロのアスリートや健康づくりのためにスポーツに取り組む人たちへ向けた、スポーツを行うための体つくりやけが予防のための食事について指導を行います。
美容
エステ業界などで体の内側からきれいを目指す人に向けた、美容のための食事、栄養指導などを行います。
料理教室
基本の家庭料理や離乳食など、食と健康を中心に栄養バランスに優れたレシピ開発と講師、教室運営を行います。
フリーランス
企業や施設などに勤務せず自由な勤務形態で、自分の得意分野に関する栄養情報をもとに仕事をします。サイトやブログでの情報発信、特定保健指導、出張料理、料理教室など、自分で仕事を調節できるメリットがある一方、収入が安定しない、自分で仕事を探す(作る)必要がありますが、自分がやった分のやりがいや収入を得ることができるとして、フリーランスとして活躍する管理栄養士が増えています。
管理栄養士として正しい情報を発信するためには?
ネットにはさまざまな情報がある
管理栄養士でなければ、食や健康情報を発信できないというわけではなく、ネットでは専門家以外のライターが試した情報なども投稿されており、正しい情報が発信されていないこともあります。
例えば、栄養指導中に相談者から質問があり、「あれ、これってどういうことだったけ?」と、付け焼き刃で調べた情報が正しい情報でなかった場合、一瞬で信頼関係が崩れてしまいます。そのためにも、根拠ある正しい情報を見極める力を養っておきましょう。
根拠ある正しい情報を届けよう
本当に正しい情報なのか、情報は誰が発信しているものなのか、信頼がおける情報なのかを見極める力が必要です。栄養や健康情報に関する書籍も多数あり、やみくもに読み漁って知識を増やしても時間が膨大にかかってしまいます。
食と栄養の専門家として
食と栄養の専門家である管理栄養士として、常に自分の専門分野の勉強、深く広い知識を身に着けておくことが大切です。数年前の知識のままでは、情報が古く今では全く違った効果だったということもあります。そのためにも、知識をアップデートし続けることが管理栄養士として正しい情報を発信するために必要です。
まとめ
管理栄養士の活躍の幅が広がるとともに、管理栄養士の質も求められています。管理栄養士の国家試験に合格したから学びはストップしていいというわけではなく、管理栄養士に合格してからが更なる学びへのスタートです。
ネットにはさまざまな情報が溢れ、一部では根拠のない栄養情報の記事が投稿されています。管理栄養士として、正しい知識か情報を見極める力を養い、分かりやすく実践しやすい栄養情報を届けていきたいですね。
管理栄養士 岡田明子
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