新型コロナウイルスの影響で、マスクや消毒用品が手に入りづらい状況ですね。
手洗いやうがいなどの基本的な予防以外に、何かできることはないのでしょうか?
手洗いやうがいはもちろんですが、毎日の食事で免疫力を高めて、新型コロナウイルスに負けない体作りをして、予防することもおすすめですよ!
中国・湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、マスクや消毒用品が手に入りづらく、新型コロナウイルス対策についてまだ分からない部分も多くあります。
分からないことが多いからこそ、不安になり、根拠のないデマなどの情報に左右されてしまいますよね。今できる大切なことは3つです。
まず、1つ目に、最新の新型コロナウイルス情報をチェックすること、そして、2つ目に、手洗いやうがいなどの基本的な予防や人混みを避けること、3つ目は、免疫力を高めて新型コロナウイルスをやっつける体作りをすることが大切です。
今回は、毎日の食生活で免疫力を高めて新型コロナウイルスを予防する体作りのポイントを中心にお伝えします。食事は毎日のことですから、今日から実践して継続していきましょう。
最新情報!!知っておきたい、新型コロナウイルスの10のこと
新型コロナウイルスの正しい情報がないからこそ、不安や恐怖を感じてしまいますよね。まずは、新型コロナウイルスについて最低限知っておきたい情報をまとめました。(2020.2.27現在)
コロナウイルスって、そもそも何?
発熱や上気道症状(一般的な風邪)を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類あることが分かっています。そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、重症化傾向のある疾患の原因ウイルスが含まれています。残り4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)の占めます。
※厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより
二次感染のリスクは?
ヒトからヒトへ感染した例が報告されています。感染のしやすさは、インフルエンザと同等であるなど、さまざまな研究が世界で報告されていますが、確かなことは現時点では分かっていません。※厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより
新型コロナウイルスの潜伏期間は?
現時点の潜伏期間は1~12.5日(多くは5-6日)とされており、また、他のコロナウイルスの情報などから、感染者は14日間の健康状態の観察が推奨されています。※世界保健機関(WHO)のQ&Aより
動物から人への感染は?
新型コロナウイルスは、ペットからは感染しません。なお、動物を媒介する感染症は他にありますので、普段から動物に接触した後は、手洗いなどを行うようにしてください。※厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより
新型コロナウイルスはどのように感染しますか?
現時点では、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。
(1)飛沫感染とは?
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いるとき
(2)接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付きます。他者がその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。
※主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
感染を予防するために、今できることは?
まずは、石けんやアルコール消毒液などによる手洗いを行ってください。咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケット(咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえること)を行ってください。
特に屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いるときはご注意下さい。また、持病がある方などは、上記に加えて、公共交通機関や人混みの多い場所を避けるなど、より一層注意してください。なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医にご相談されることをおすすめします。「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
その他、体の免疫力を高めておくために食生活を見直すことも大切です。これについては、次の章で詳しくお話していきますね。
新型コロナウイルスを予防するためにマスクは必要ですか?
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつけましょう。予防用にマスクを着用することは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる効果はあまり認められていません。「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
新型コロナウイルスに感染すると重症化しますか?
現時点で、どのような方が重症化しやすいか十分に明らかではありません。通常の肺炎などと同様に、高齢者や基礎疾患のある方のリスクが高くなる可能性は考えられます。新型コロナウイルスに罹った肺炎患者を調査した結果、1/3~1/2の方が糖尿病や高血圧などの基礎疾患を有していたとする報告もあります。「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
食品から新型コロナウイルスに感染することはありますか?
新型コロナウイルス感染症の主要な感染経路は飛沫感染と接触感染であると考えられています。2020年2月21日現在、食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていません。「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
妊娠中、新型コロナウイルスに感染した場合は?
一般的に、妊娠中に肺炎を起こした場合、妊娠していない時に比べて重症化する可能性があります。 また、胎児への影響については不明ですが、現時点で胎児障害の報告はありません。「厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&Aより」
不安なときは最新情報をチェックすること
世界保健機構(WHO)や政府機関、市区町村の発表でも、まだ分かっていないことがあるため、信頼のおける最新情報をこまめにチェックするようにしましょう。おすすめは、こちらの3つです。
- 首相官邸ホームページ「新型コロナウイルスへの備え」(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202002/23corona.html )
- 厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1 )
- その他、各地方自治体の新型コロナウイルスに関するサイト
今日からできる!食事で新型コロナウイルス予防
食事で新型コロナウイルス対策するためには、〇〇力を高める
マスクや消毒用品が手に入らなくて、新型コロナウイルスを予防するのが不安というとき、管理栄養士は「食事で免疫力を高める」ことで、病気を予防します。
そう、〇〇力とは、免疫力です。免疫力とは、体内に侵入してきたウイルスや細菌をやっつけて体を守る機能のことです。
今回の新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザウイルスやその他の風邪、体内で発生したがん細胞などは、体内で細胞を攻撃し、発熱や嘔吐、下痢などのさまざまな体の不調をもたらしますが、健康であれば、免疫細胞である白血球などが体を守ろうとして戦ってくれます。
しかし、免疫力が低下している高齢の方や普段の食生活が乱れていると、体内に入ってきたウイルスや菌に負けてしまうことがあるのです。そのためにも、食事で新型コロナウイルス対策をするためには、免疫力を高める食事を意識することが大切になります。免疫力を高めるためには、毎日の食事が大切というわけです。
今回、国内で死亡が発表された人の年齢も80代と高齢の方、そして基礎疾患のある方など一般的に免疫力が低下している方が、重症化するケースが報告されています。日頃からちょっとしたポイントを意識して、継続することで、さまざまな病気を予防してくれます。そのためにも、食事を意識してみましょう。
免疫力を高めるためには?
免疫力は加齢や食生活の乱れによって、低下していきます。そのためにも、重要なのはこの3つです。1つ目、普段から食事をバランスよくすること、2つ目、睡眠時間をしっかりとること、3つ目、軽い運動やストレッチを取り入れストレスを取り除いてあげることです。
免疫力を高める食事バランスとは?
基本の食事は、一汁三菜をイメージして食べることです。ごはんやパンなどの炭水化物、味噌汁やスープなどにたっぷりのお野菜を入れた汁もの、肉や魚、卵、豆腐などのタンパク質がとれるおかず、その他おかずが2品程度あるのが理想です。毎食、一汁三菜が難しいという場合は、炭水化物・タンパク質・野菜が毎食入っていれば問題ありません。体を正常に動かすためには、このバランスが大切です。
とくに意識したい栄養素と食材は?
とくにオススメしたい栄養素は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、タンパク質です。
- ビタミンA
ビタミンAには、のどや鼻の粘膜に働きかけて細菌から体を守ってくれる働きがあります。ほうれん草やかぼちゃ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜やレバー、チーズ、卵に多く含まれています。
- ビタミンC
ビタミンCには、抗酸化作用があり有害な活性酸素から体を守ろうとする働きがあります。とくに、ストレスを感じたときや体内にウイルスや菌が入ってきたときには体が炎症を起こしており、活性酸素が過剰に発生してしまうため、抗酸化作用のある栄養素を意識してとるのがおすすめです。フルーツや野菜、じゃがいもやサツマイモなどに多く含まれています。
- ビタミンE
ビタミンEもビタミンCと同様に、抗酸化作用をもっています。また、血行を促進する働きもあるため、食事でとった栄養素を体のすみずみまで運ぶためにも必要な栄養素です。緑黄色野菜やナッツ類、アボカドに多く含まれています。
- タンパク質
タンパク質は体を作る栄養素です。私たちの体は、日々細胞が生まれ変わっており、その細胞を作るために欠かせない栄養素です。肉、魚、卵、豆腐などの大豆製品から毎食摂取するようにしましょう。
免疫力を高めるために、腸内環境も意識しよう
その他にも、腸内環境を整えることが免疫力を高めるといわれています。これは、免疫細胞の約60%が腸にいるためで腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させやすい状態にしておくことが大切になってくるからです。
腸内環境を整えるためには、食物繊維と発酵食品がポイントです。食物繊維がたっぷり含まれているお野菜や海藻類をとること、そして、納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品でお腹の調子を整えてあげることもおすすめです。
とくに、海藻である「あおさ」に含まれるラムナン硫酸(参考:https://research-er.jp/articles/view/86499 )には、抗ウイルス作用もあります。海藻サラダや味噌汁にプラスして、毎日少しずつ摂取していきたいですね。
また、便秘がちな方は、腸内環境が乱れている可能性が高く、せっかく摂取した栄養素もしっかり吸収しづらいこともありますので、便秘を改善するためにも食物繊維と発酵食品の2つを取りいれてみてくださいね。
免疫力を高める睡眠とは?
食事以外にも免疫力を高める方法はあります。それは、睡眠です。睡眠不足は万病のもととも言われます。睡眠時間があまりとれず、風邪をひいた経験があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?これは、実験でも証明されており、「鼻の中に風邪のウイルスを注入して、風邪にかかるかどうか調べたところ、ウイルス注入前2習慣の平均水分時間が7時間未満だった日は、8時間以上寝ていた人に比べて2.9倍風邪にかかりやすかった」(参考:神山潤 著・「朝起きられない人のねむり学」より)という実験結果も報告されています。
このように、免疫力を高め病気から身を守るためにも、8時間睡眠がとれるよう生活を見直してみましょう。
これも一緒に!!免疫力を高める生活
「最新情報!!知っておきたい、新型コロナウイルスの10のこと」でもお伝えしたように、基本的に、まずは手洗いとアルコール消毒です。コロナウイルスを体に入れないことがまず第一ですね。
もしも、体内にコロナウイルスがはいってきた場合は、免疫力を高めてやっつけることが大切です。免疫力を高めるためには、毎日の食事が重要ですが、食事、睡眠、運動の3つのバランスを保つことです。どれかが欠けてしまうと、バランスが崩れ免疫力が低下する原因となってしまいます。
しっかり食事がとれていても、睡眠が不十分であればなかなか疲れがとれず食べたものもしっかり消化吸収できません。また、睡眠不足が続くと動こうというモチベーションも低下してしまい、運動(体を動かすこと)もなかなかできない状況になってしまいますよね。そのためにも、どれかを一生懸命やるのではなく、それぞれをバランスよく行うことが大切になります。運動といっても、激しい運動を行う必要はありません。家の中ででも、ストレッチやラジオ体操など軽く体を動かせれば大丈夫です。
まとめ:毎日の食事が健康作りの鍵
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、普段から健康作りを意識した食生活を取り入れ、新たなウイルスや菌にも負けない体作りをしておくことが大切です。
新型コロナウイルスをきっかけに、暴飲暴食や睡眠時間を見直したり、毎日継続してできる運動を新たな趣味にしてみるのもいいですね。新型コロナウイルスの影響で、さまざまなイベントが中止されたり、企業でもテレワークや時差ビズが推奨され、外出を控える人も増えてきました。
その分、楽しみが減ったような気がしてガッカリだという人もいると思いますが、家で過ごす時間を豊かにするために、美味しく簡単にできる一汁三菜のレシピ本で料理の勉強をしてみたり、今日ご紹介した食材を美味しく食べるためにお料理してみると、新たな発見もでき、毎日の食事がより豊に、そして健康になっていくこと間違いなしですね。
管理栄養士 岡田明子
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