私、そろそろ仕事復帰をしたいなと思っていて
子供が好きだし「保育園の栄養士」に興味があるんですが・・・
そうなんですね!
私も憧れた時期はありました。
では今日は「保育園栄養士」について
お伝えしていきますね。
保育園栄養士の生の声
栄養士や管理栄養士は、さまざまな食と栄養に関わるさまざまなシーンで活躍していますが、幼児教育の場面でもとても重要な位置づけとして活躍しています。
子どもが大好きで、栄養士・管理栄養士を目指す人にとって、これから成長していく子どもたちの食事に関わることのできる保育園栄養士は人気もあり、子どもの体の成長だけでなく、心の成長にも欠かせません。
今回は、保育園栄養士として勤務しているKさんに、保育園で働く管理栄養士の仕事内容と保育園栄養士を目指す人へ知っておいてほしいこと、保育園に子どもを預けているママへ、保育園栄養士の想いをインタビューしてみました。
保育園栄養士の1日
保育所での食事の提供は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)で、保育所に調理室を設けることとされ、自園調理(委託可能)を行うことと定められています。
管理栄養士の必置指定はなく、保育園の給食施設では栄養士や管理栄養士を中心に、子ども達の食と栄養に携わっています。ここで、Kさんに保育園で働く、栄養士・管理栄養士の1日の仕事の流れを教えてもらいました。
保育園ならではの給食ルール
カレーの前日調理で食中毒事件があったことをうけて、保育園では、食材の納品も当日が望ましく、調理は当日に行うように定められています。
Kさんの保育園でも、食材は当日の朝に納品し、それから調理しています。また、提供2時間前調理を行い、安全な給食提供を行っています。
とくに、乳幼児は抵抗力が低く、衛生管理を徹底することが重要です。また、成長に欠かせない栄養素をしっかり摂るだけでなく、保育園で食教育を行うことで、食事中のマナーや皆で食事をする楽しみを学ぶ時間としても重要な保育園給食です。
園児のアレルギーや障害、国際化に伴い、食事提供に特別な配慮を必要とする子どもの割合も増加しています。ますます、園児の栄養管理の重要性も今後高まり、管理栄養士の配置が望まれています。
保育園栄養士として求められること
丁寧に給食を作ることはもちろんですが、細かい作業が保育園栄養士には求められます。
例えば、離乳食では園児の発達にあわせ食材の形態を揃えることが大切です。離乳食を始めたばかりの園児には、しっかりすりつぶしておかなければ、危険な場合もあります。
少しずつ食べられるようになっても、食材が大きければ食べにくいと感じ、給食を残す園児もいます。
実際に、保育士から食材の大きさを指摘されることもあり、Kさんは形をきれいに揃えて切る練習のために、メモリ付きのカッティングボードを使い練習していたそうです。
また、アレルギー児は命に関わることもあるため、アレルギーの確認と正しく提供できているか確認に最新の注意を払っています。
その他、グローバル社会によって、宗教上の理由でイスラム教の園児には豚肉の提供をしないことや障害で筋力のない園児には、ミキサー食や刻み食などの対応をして、園児一人一人にあわせた給食の提供が求められます。
保育園栄養士を目指すなら
保育園栄養士として、やっていて良かったと思えることをKさんに訊ねてみました。
『保育園栄養士だから、◯◯をお願いしたい』との声に、役立てる場所が多いと感じたり、乳幼児の食に関する専門的な知識があることで、保育園だけでなくママの助けになっていることも実感しているそうです。
保育園に限らず、子どもの食で悩む全てのパパやママへ、子どもの食について話せる機会を増やし、そういう新たな道も作っていきたいと思っています。
保育園栄養士は、保育園の規模にもよりますが、全部一人でやらないといけない現場が多く、責任感や自分で考えて行動する力が身に着きます。
また、「アレルギー大丈夫?」「食材の発注ミスないかな?」など、何か起きないように、いつもフル回転している上に、対応が多岐に渡り、マニュアル通りに進まず正解がないこともあって悩むこともあります。
しかし、園児の美味しそうな表情や保護者からの「いつもありがとう」という言葉が、保育園栄養士を続ける原動力になるそうです。
様々なことに臨機応変に対応できるバランス感覚やもっと美味しく、時間内でベストを尽くすことや保育士とのコミュニケーション、できる環境で精一杯やることが大切です。
食育は、保護者とともに
保育園栄養士として勤務するAさんは、園児や保護者とのコミュニケーションも欠かせないといいます。
園児の送り迎えでしか話せないそうですが、「いつも栄養バランスのある給食をありがとう」と、温かいお言葉を頂くことが多く、そんなときはとてもやりがいを感じるそうです。
また、Kさんは家庭内のことでも、食に関することは何でも相談してほしいと話していました。
保護者の声を集めて、食育に繋げたり、給食の試食会やイベント企画することもあるそうです。
実際に、保護者の声を形にして、保育園の近くで畑を持っている人を紹介してもらい、お散歩で畑で野菜の観察をして、子どもたちが苦手な野菜など興味を持ち、喫食率があがったこともあるそうです。栄養士が「こんな食育をやりたい!」と、食育企画を保育園に提出しても意見が通りにくいこともあるため、保護者から食育でこんなことしてほしいなど言ってもらうと、実現しやすいそうです。
まとめ
- 保育園では、食材の納品も当日が望ましく、調理は当日に行う
- 保育園の給食は、成長に欠かせない栄養素をしっかり摂るだけでなく、食事中のマナーや皆で食事をする楽しみを学ぶ時間
- 園児のアレルギーや障害、国際化に伴い、食事提供に特別な配慮を必要とする子どもの割合も増加
- 保育園栄養士には、食事の形態やアレルギーなどの対応で、細かい作業が求められる
管理栄養士 岡田明子
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→朝オヤツで、麦茶を提供
朝オヤツの準備(お皿、コップ、牛乳、その日のオヤツ)
→麦茶とビスケットなど既製品のお菓子を提供
8:30 検品
→食材の納品は、基本的に当日が望ましく、当日調理で2時間以内調理を厳守
9:00 保育士とのミーティング、パートさん勤務開始
→アレルギー児の確認、アレルギー食の確認を保育士とする
パートさんへ仕事の指示
→オヤツ提供、食器の準備、野菜を茹で和え物の調理、調味料計測、フルーツの準備
栄養士がメイン・汁物調理
11:00 園長先生へ検食を持っていき、離乳食提供し幼児食のおかずの盛り付けをする
→提供前には、必ず検食を行ってから食事提供する
→基本的に、月齢の低い園児から提供
離乳食はトレイへ一人ずつ盛り付けて提供、また、アレルギー児も先に盛り付け、アレルギー食材が混入しないよう最新の注意を払っている。
人数が多いクラスは、ごはんは炊飯器で提供し、少なければ食缶やボウルに入れ、乳幼児の適温にあわせクラスで盛り付けして食事を提供している。
11:30 幼児食の検食と提供
全クラスに提供したら、パートさんに調理器具の片付けなどをお願いし、栄養士や管理栄養士はそれぞれのクラスに入り、給食の話しをしながら一緒に食べ、子どもたちの様子を観察する。
この時に、アレルギー児に正しく提供できているか確認をしながら、園児たちの食べ具合や食材の切り方が食べやすいか確認し、食べたいものを聞きだします。また、給食の時間は食育の時間として、食への関心や楽しみを伝えたり、行事にまつわる食の話をする。
保育士より現場の声を聞き、園児とご馳走さまをして、給食室へ戻り休憩を1時間取る。
12:30 洗浄、おやつのお皿準備をパートさんに指示
14:00 おやつの調理開始
→ゼリーやクッキーなど固める時間や生地を寝かせる時間が必要な場合は、休憩時間の変更あり
15:00 おやつの検食と提供
→おやつは一緒に食べず、部屋を回ってそれぞれの食べ具合を観察する
15:30 おやつの食器を洗浄
16:00 献立、発注、給食だよりなどの事務作業
17:00 19:00の夕補食(おにぎり、クッキーなど)を提供する場合は準備
17:30 床そうじ(水拭き、乾拭き)して終了