それでは、今日は、新しい生活様式を取り入れつつ、管理栄養士も実践する食からの熱中症予防についてお話していきましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、「新しい生活様式」が、呼びかけられていますね。その1つに感染を防ぐため「マスクの着用」があります。しかし、夏に向けて快適なマスクが続々と販売されているものの、マスクを着用して暑い夏を過ごすためには、人との距離を保ちつつ、適宜マスクをはずすことも厚生労働省や環境省から発表されています。
その他、暑さ対策、水分補給、体調管理に気を付けて実践していくことが、新型コロナウイルスの感染を防ぐ新しい生活様式です。
そこで、今回は新型コロナウイルス対策にも配慮した、熱中症予防を中心に管理栄養士も実践している対策をご紹介します。
夏を健康に乗り切るwithコロナ
新しい生活様式を取り入れた夏
今年は新型コロナウイルスの感染で、約2ヶ月の自粛期間を過ごし、少しずつ日常を取り戻しつつあります。しかし、そこは「新しい生活様式を取り入れた」日常が呼びかけられています。
「新しい生活様式」の実践例
「新しい生活様式」の実践例として、以下の4つが厚生労働省より発表されています。
- 一人一人の基本的な感染対策
- 身体的距離の確保
- マスクの着用
- 手洗い
- 日常生活を営む上での基本的生活様式
- まめに手洗い・手指消毒
- 咳エチケット
- 換気
- 3密(密集、密接、密閉)の回避
- 体温測定(健康チェック)
- 日常生活の各場面別の生活様式
- 買い物は通販、またはレジでは前後にスペースを確保する
- 娯楽、スポーツなど十分に人との間隔をとり、可能な限りオンラインを活用する
- 公共交通機関の利用時は、会話を控えめにし混雑時は避け、徒歩や自転車を併用する
- 食事は、持ち帰りやデリバリーを活用し、料理に集中しおしゃべりは控えめにする
- イベント等への参加は接触確認アプリを課長し、発熱などの症状がある場合は参加しない
- 働き方の新しいスタイル
- テレワークやローテーション勤務
- 時差通勤
- 会議はオンライン
- 対面打ち合わせは換気とマスク
- 3. マスク着用で
新しい生活様式の実践例をみてみると、感染を防ぐため人との接触を控え、マスクの着用や人との距離を確保することが呼びかけられています。これから夏を迎え、蒸れやすいマスクの着用は熱中症を引き起こしやすく、人との間隔をとって過ごすことで熱中症で気分が悪くなっていたとしても気づきにくい場合もあります。新型コロナウイルス対策とは言え、熱中症の観点からみると難しい状況も今後出てくることでしょう。
新しい生活様式を取り入れた夏
緊急事態宣言が解除され、少しずつ人出が戻りつつありますが、まだまだ油断はできません。新型コロナウイルス予防として、引き続き、3密(密閉、密集、密接)を避け、マスクの着用や咳エチケット、免疫力をあげる食事や生活リズムを整え体調管理していくことが求められます。
暑くなってくると、マスクが息苦しく感じられたり、食欲が落ちバランスよく食べられない、夜は暑さで寝苦しく睡眠の質が低下することで免疫力の低下が心配されます。新型コロナウイルスの流行や重症化を防ぐためには、今まで通り、できる対策を確実に実行していくことです。
マスク着用で熱中症
新型コロナウイルス対策の1つとして、マスクの着用がもとめられていますが、夏になると口元を覆うマスクは非常に蒸し暑く、熱中症が問題視されています。屋外で、ある程度、人との距離が保てる場合は、マスクを適宜着脱することや水分補給、日頃の健康管理、暑さを避けることで、新しい生活様式を取り入れた新型コロナウイルス対策を行っていきましょう。
毎年〇〇人が発症している熱中症
70代以上の高齢期の方は要注意
新しい生活様式を取り入れた、今年の夏は、とくに熱中症に気を付けたいものです。熱中症は年齢問わず発症しますが、平成30年の熱中症による死亡数は1581人(厚生労働省人口動態統計(確定数)より)と発表され、とくに70代以上に多く発症していることもあり、高齢期の方は要注意です。
高齢者は、体内の水分が少ない上に喉の渇きに気づきにくく、脱水になりやすいため、あまり体を動かしていない状態であったり室内で過ごしていても熱中症になりやすいことが原因です。
その上、今年は新しい生活様式でマスクの着用が推奨されており、マスク着用によって口元の熱がこもりやすく、水分補給も忘れ、熱中症になりやすい環境です。高齢の方がいらっしゃる場合は、体調の変化をいつも以上に気を付け、水分補給も声をかけ促していきましょう。
高齢期に関わらず、今年の夏はとくに熱中症に注意
今年は新しい生活様式でマスクの着用が推奨されており、マスク着用によって熱中症になりやすい環境です。TPOにあわせ、マスクの着脱や水分補給、日頃からの体調管理、暑さに向けた体力作り、エアコンを利用しながら適宜換気をし、新型コロナウイルス対策を行いながら、さまざまな年代で、熱中症対策を行っていくことが大切です。
新型コロナウイルス対策をしながら熱中症を防ぐ方法
- 1. 夏のマスクの使い方
人とコミュニケーションをとるときはマスク着用が求められますが、高温多湿といった環境では、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。そのため、屋外で人と十分な距離が確保できる場合は、マスクを外し休憩をとりましょう。
また、マスクを着用時に、強い負荷のかかる作業や運動をするときは十分に気を付け、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。
- 2. 暑さを避けよう
少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所や日陰、風通しの良い場所に移動して休みましょう。家の中にいるからと言って安心はできません。熱中症の多くは、家や職場で発生しています。屋内外に関わらず、熱中症に十分気をつけて過ごしましょう。
- 3. 水分補給を意識しよう
喉が渇いてなくても、例年以上にこまめに水分補給することが大切です。時間を決めて少しずつ水を飲みましょう。また、夏野菜は水分も多く体を冷やす作用もあるため、キュウリやトマトなど、そのままでも丸かじりできる野菜を間食に取り入れることもおすすめです。
- 4. エアコン使用時の注意点
熱中症予防にはエアコンで室内の温度を下げましょう。ただし一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気ができません。冷房を使いながら、定期的に窓を開け、換気扇で換気しましょう。換気によって、室内温度が高くなるためエアコンの温度を調整しましょう。
- 5. 体調を整えるための食事
暑さに備え、食事から体調管理することも大切です。基本は栄養バランスよく食べること。一汁三菜の定食屋さんに出てくるような食事を意識すると、さまざまな栄養素がとり入れやすいです。
メインに肉や魚、卵、豆腐など、具沢山なお汁、お野菜料理を2品程用意するイメージです。また、夏野菜であるトマトやきゅうり、なす、ピーマンなどは火照った体を冷やし、水分もたっぷりと含まれており、熱中症予防にもおすすめの旬の野菜です。
また、免疫力を高めるため、腸内環境を整える発酵食品を食事にうまく取り入れていきましょう。発酵食品の1つであるぬか漬けは、簡単に自宅で漬けられるキットなどを利用して、自家製ぬか漬けなどもおすすめです。
熱中症も新型コロナウイルスも防ぐためには、毎日のバランスのとれた食事の積み重ねで、体調を整えていきましょう。
まとめ
今年の夏は、新しい生活様式を取り入れた熱中症対策が必要になります。熱中症の症状を感じたら、
無理をせず休憩を挟みましょう。そして、免疫力向上、体力作りのためにも食事をしっかり食べて夏に備え、新型コロナウイルス対策を取り入れた、新しい夏の過ごし方を実践していきたいですね。
管理栄養士 岡田明子
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